1. 温泉もミネラルウォーター?~飲む温泉の豆知識~

温泉もミネラルウォーター?~飲む温泉の豆知識~

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温泉と聞けば日本人はゆっくり浸かって温まりたくなりますよね。ですが温泉の効能はそれだけではありません。飲むことで温泉の効能を得られるものもあるのです。そんな飲む温泉、飲泉についてご説明します。

意外と歴史の古い飲泉

飲泉とは温泉を飲むことを指します。歴史は古く、日本の歴史書、「日本書紀」の持統天皇の時代、ちょうど7世紀の終わり頃には飲泉によって病人を直したという記録があります。その後、飲泉についての記録はありませんが、江戸時代の中ごろには飲泉の効能や注意事項を書いた書物が出回るようになります。 明治の頃になるとドイツ人医師のベルツが群馬県の伊香保温泉や草津温泉などの温泉の効能に注目し飲泉を指導し、「日本鉱泉論」という論文では飲泉の適応症や飲泉量、飲泉施設などの記述を残しています。このように古くから温泉に入るだけでなく、飲泉を行うことで回復効果を高めようとしていたことが分かります。炭酸泉などは「霊泉」と重宝されたようです。

ヨーロッパにおける飲泉文化

先ほどドイツ人医師の話をしましたが、ヨーロッパでは飲泉は現代の日本よりも一般的に行われてきました。15世紀まで温泉は入浴のために利用されていましたが、日本と比べて火山帯が少なく温泉の温度が低く入浴に適さない温泉が比較的多いことや、宗教的な理由や疫病の関係で入浴の習慣が少ないことも飲泉を盛んにした原因と考えられています。 飲泉を行うようになってからはその効能についても早くから明らかになり、医学と結びつくようになります。そのためヨーロッパで飲泉を行う際には専門の医者による処方が行われます。自由に飲めるわけではなく医者によって量を決められ、温泉のある保養地をゆっくり散歩しながら飲み歩くようになっているようです。この辺りが日本の温泉との違いです。ちなみに医療行為なので保険も効くようです。 有名どころのイギリスのバースやハンガリーのブタペストなどの温泉地は古代ローマ時代に温泉施設が作られたことの名残である場所が多いです。チェコのカルロヴィ・ヴァリといった飲泉のための温泉地として作られたものもあります。

なかなか根付かなかった日本の飲泉

ヨーロッパは飲泉が一般的に行われているようですが日本ではどうでしょうか?最初に述べているように日本も飲泉の文化はありました。しかし、飲泉が可能な温泉地の全体数はあまり多くはありません。これは飲むよりも浸かることを重視するという入浴文化があることも一つです。それ以外に、温泉が民間療法の分野と考えられてきたため積極的な医療指導もありませんでした。 また、そもそも飲めない温泉の方が多いです。火山活動の激しい日本は硫黄や重金属などの成分が強すぎることもあれば、人体に影響が出るレベルのミネラル分を含むものもありますし、酸性の強い温泉は胃の粘膜を傷つけることにもなるのです。基本的には各都道府県の保健所が飲泉許可を出している温泉のものを飲むようにしましょう。しかし、ヨーロッパのように、温泉専門の医者による処方はないため、各温泉で出されている注意事項をよく読むようにして飲泉する必要があります。 このように日本では泉質の関係などもあってあまり飲泉文化は根付きませんでした。しかし温泉の効能は日本人ならよく知っているもの。そこで作られるようになったのが飲める温泉、温泉水です。

飲める温泉とミネラルウォーターは基本的には同じもの

温泉水とは飲める温泉と考えてもらってもいいでしょう。実は飲泉可能な温泉はミネラルウォーターと基本的には同じものです。特に単純泉と呼ばれる温泉は地下水とあまり変わらないので飲用が可能です。ちなみに温泉法の定義では地熱で温められた25℃以上の水に硫黄やリチウムなどの19の成分が一つでも含まれているものを言います。温泉は地下水と同じように地中を通るため、温泉は必然的に地中のミネラル成分を含むようになります。先に述べましたように日本の温泉は泉質の関係上飲めないものが多いですが、強すぎる硫黄成分など飲用に適さないものをろ過し、取り除いて飲用可能にしたのが温泉水です。これはミネラルウォーターと同じように飲むことができ、通常では飲むことのできない温泉の水を飲むことができるということで多くの人が飲用しています。 温泉水の効果は通常の飲泉可能な温泉のように、通常の水道水よりも多くのミネラル分を含むため体には良い影響があります。特に胃腸の調子を整え、便秘改善や血圧対策などに効果が期待できるのです。また、ミネラル成分とは体内で生成できない栄養素で食事でしか摂取することができません。このような必要不可欠な栄養素を補う意味でもたいへん役立つためお料理にももってこいです。他にも女性にうれしい化粧水としても効果があります。こちらに関しては各温泉で専用の商品が売られていたりしますので、そちらにも注目してもいいでしょう。このように温泉水は体に良い効果をもたらすのです。 いかがでしたでしょうか?飲泉や温泉水の豊富なミネラルは健康的な生活に非常に役立ちます。持病などにお悩みならより強い飲泉効果を求めて温泉地をめぐるのもいいでしょう。手軽にしたいのならばミネラルウォーターやウォーターサーバーを購入する際はこういったミネラルなどの成分に注目してみると良いかもしれませんよ。