1. 実は昔から「水は買うもの」だった

実は昔から「水は買うもの」だった

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    電気やガス、水道に加えて現代では電話やインターネット回線まで含めて「インフラ」と呼ばれるものがとてもしっかりと整備され、一般家庭のどこにでも人間の生活環境として整っている場合がほとんどです。電話については携帯電話の普及によりむしろ減っていたりもしますが・・・。 何にせよ、今では先進国の1つとしてかなりしっかりとインフラが整備された中で私たちは生活しています。

    もちろん昔はこうではなかった

    昔話でよくありますよね。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ選択に・・・大きな桃(違う と、ここまで大昔はもちろんのこと、徐々に近代へと向かって歴史を見ていっても、江戸時代くらいまではまだまだ現代ほどのインフラは整備されていませんでした。たとえば冷蔵庫。昔は電気もありませんし、現代の冷蔵庫と呼ばれるようなものはなく、食品を保存するための技術は発展していませんでした。それが江戸時代(※)に氷が売られるようになり、その冷気で食品などを冷やすようになったのが始まりと言われています。 ※氷屋が江戸時代からという説が今では有力ですが、明治から始まったという説もあります

    「水屋」という職もあった

    古典落語の一つに「水屋の富」という話があるのをご存知でしょうか。江戸時代、江戸の中心部は当時としてはかなり水道網がしっかりと整備され、井戸から生活用水を得ることができました。しかしながら下町エリアでは隅田川を挟んで水道網の整備がうまくいかなかったり、埋め立て地で水質が悪かったりという理由があり、こうした地域ではまだ飲料水などを満足に手に入れることができませんでした。 そこで水道から汲んだ水を桶に入れて売り歩く、「水屋」という商売をする人が出てきました。 しかしこの水屋の売る水、重い水を運ぶというなかなかに労力のかかる仕事であるわりに利が薄い。天秤棒の前と後ろに1つずつ桶を吊るし、片方4文の値段が一般的だったそうですが、これは当時そば一杯のたった4分の1の値段。得意先との関係もあってなかなかおいそれと投げ出せる商売でもなく、水屋の人たちはなかなか生活が大変だったそうです。

    水屋の富

    そんな水屋がある日、なけなしのお金をはたいて富くじを買ったところまさかの大当たり。1000両(手数料を引かれるので実際手にできるのは800両)もの大金を得て、ついに水屋を辞められると喜ぶが、得意先もあって代わりが見つかるまでやめるわけにもいかない。とはいえこんな大金持ち歩くわけにもいかないし、家に置きっぱなしにして盗まれたら・・・と、仕事も手に付かなくなり、水屋はだんだんノイローゼになっていきます。 そんなある日、いつも家に帰ってくるなりあやしい物音がするのに気付いた隣人が留守中に忍び込み、水屋の大金を盗んでしまいます。 家に帰りお金が盗まれていたことに気付く水屋、大きく息を吐き出してこぼれた一言が「やっと安心して眠れる」 というのが水屋の富という落語です(だいぶ端折ってます)。

    今も昔も水は欠かせないもの

    このように当時は住んでいる場所によって水道というインフラ整備の状況が違ったため、思うように水を得られない地域の人にとっては「水は買うもの」でした。 また、先に例を挙げた氷屋についても、最初のうちはただ冷やしてあるだけで水質があまりいいものではなく、かき氷のような食べ方や飲料に入れて冷やしたりするのには向かず、口に入れるとお腹を壊してしまう人も多かったそうです。 これを現代に置き換えてみると、水道もしっかりと整備され、ただ水道水を使ったり、冷蔵庫で氷を作るだけならわざわざ水を買う必要はありません。 しかし当サイトの別記事でも何度か紹介をしている通り、水道水は安全性を高めるため薬品を使用しており、匂い等が苦手で飲めないという人も多くいます。

    水屋は品質がウリ

    当時の水屋にとっては、江戸のしっかりと整備された安全な水を届けられることがウリでした。そういう意味では現代の水屋、ウォーターサーバー業者も同じと言えるのかもしれませんね。水道水と違って極力薬品を使用しておらず、余計な味やにおいのない、安心安全な水の品質こそがウリです。 さらに現代のウォーターサーバーでは冷たい水もあたたかいお湯もすぐに出せるあたり、まさにインフラの進化といえるでしょう。 街中で、各家庭で、ウォーターサーバーを見かける機会もかなり増えてきました。いずれはウォーターサーバーも欠かせないインフラの一つになっていくのかもしれませんね。 それでは、お後がよろしいようで。