1. ミネラルウォーターの採水地

ミネラルウォーターの採水地

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    ミネラルウォーター~採水からおいしい水に完成するまで~ ネラルウォーターは、自然界に存在する水を滅菌処理することで、安心安全のおいしい水に仕上げます。ミネラルウォーターの原水となるわき水は、天然の水が地中に浸透し、砂や土とともに長時間蓄えられたもの。飲める水として安全に頂くためには、採水地を厳選し、製造過程においてさまざまな不純物を取り除く必要があります。今回は、ミネラルウォーターがどのようにしておいしい水へと進化していくのか、その過程について詳しく説明します。

    どうやって採水する?

    ミネラルウォーターは、「地下水から採水した水をもとに製造されたもの」と定義されています。そのため、良質な地下水がある場所を採水地として選定する必要があります。主に清らかな川の流れる山々や、自然豊かな山渓、きれいな水を蓄える泉や湖などが、最適な採水ポイントとなるでしょう。 水源地が異なれば、含まれる成分も異なり、水の性質や味にも差が生じます。良質なわき水が得られるかは、採水地の特性によって決まるといっても言い過ぎではありません。良質な原水が取れる場所かどうかを見極めるポイントはいくつかあり、マグネシウムやカルシウムの硬度、または水を蒸発させたときの残留物、臭いの強さを示す臭気度指数などを目安に、採水地を選ぶことになります。 そのように厳選された採水地から原水をくみ上げ、調整・処理することでミネラルウォーターが出来上がります。良質な飲料水を作る決め手は、まず採水地選びにあるといっていいでしょう。 処理方法は? 採水した原水は、いくつかの製造工程を経て作られます。一般的には、「原水の品質チェック」「濾過・滅菌」「ボトリング」などの工程に分けられます。 原水の品質チェック わき水ですので、有害な物質が基準値以上含まれている可能性も考慮しなければなりません。健康に害を及ぼす細菌や化学物質が含まれていないか厳格に検査し、安全な水のみを製造に回すことがこの工程における役目です。 濾過と滅菌 衛生に問題ないと判断された水は、濾過工程に回され、フィルターに通して不純物を精密に除去します。濾過が終われば、紫外線殺菌やオゾン殺菌、ミネラルウォーターであればミネラル調整を行います。さらに、別の水と混ぜ合わせて品質に問題が発生しないかチェックし、安全に飲めるミネラルウォーターかどうか判断します。 ボトリング 品質の安定性を確保した後は、ペットボトルに充てんし、衛生状態の守られたクリーン・ルームで最終的な洗浄・チェックを行います。キャップまででクリーンに洗浄し、ペットボトルに詰められたミネラルウォーターはそのまま出荷となり、市場に出回ります。 日本では、このように厳格な品質管理と滅菌・洗浄などの工程を経てミネラルウォーターが作られます。加熱して殺菌する処理方法は、全ての国で行われている方法ではありません。安全第一主義にのっとり、日本では細部にわたって処理作業がなされます。

    天然水との違い

    天然水とミネラルウォーターを混同される方も多いかもしれません。どちらも安全でおいしく飲める水と認識されていますが、厳密にいうと、この両者は製造過程における処理の方法が異なります。飲んだだけでは分かりにくいものの、品質や味の面で微妙に差があるのです。 先にミネラルウォーターの原水処理方法を説明しましたが、滅菌工程でオゾン殺菌や紫外線殺菌が行われるミネラルウォーターに対し、天然水は加熱殺菌以外の処理方法は行われません。さらに、ミネラルウォーターは滅菌後、ミネラル分を調整し、他の水ともブレンドさせるため、純粋な天然水とは明確に区別されます。

    ヨーロッパでは加熱しない?

    日本のミネラルウォーターの製造過程では、各メーカーの品質基準に基づき、滅菌処理するのが一般的ですが、EUの品質基準に基づいて製造するヨーロッパでは、処理過程に若干の違いがあります。 日本では、滅菌処理の過程で加熱処理を行う場合が多いですが、EUの品質基準では加熱殺菌が禁止事項になっています。これは、原水の風味や成分を損なわないようにすることが目的です。 「加熱処理しなくて大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、ヨーロッパでは採水地の衛生環境がしっかり守られています。また、採水される原水の基準値が厳しく、化学物質の数値や病原菌の数、ミネラル成分の基準値なども細かく規定されているのが日本との大きな違いでしょう。 採水地の水を水質汚染や土壌汚染から守るために、農薬散布や化学肥料の禁止、土壌環境のクリーン化を徹底するのがヨーロッパ流。つまり、環境対策で良質な水が守られている以上、ヨーロッパの人たちの間には、「加熱処理の必要はない」という共通認識があるのです。 おいしい水を安全なかたちで飲みたい思いは万国共通。その一方で、国ごとにルールや基準、考え方の違いがあって当然です。世界にはいろいろなミネラルウォーターの作り方があるのを理解しつつ、安全で良質なお水を選びたいですね。